川村啓史の野球とスノーボード同時上達法
スノーボーダーの中にも野球経験者は多いと思いますが、バッティングとターンの関連性に気付いている人はいますか?
この記事では「スノーボードで野球の調子が上がった」という川村啓史くんの体験談を紹介します。
ゴリゴリの野球人が気付いたスノーボードとの関連性
幼い頃から野球に親しみ、野球名門高校の卒業生。現在は複数の社会人野球チームを掛け持ちする4番バッター、川村くん。彼がスノーボードに出会ったのは28歳の冬、7年前のことでした。
友人と気軽に始めスノーボードでしたが、いつしか野球同様、道具にこだわりを持ち、カルチャーまでを深く理解したいという欲求が湧いたそうです。そしてMOJANEに足を運んでくれました。
そんな川村君が報告してくれたのは、野球のバッティングとスノーボードのバックサイドターンには共通点が多いという事。これは、MOJANEにとっても新たな切り口でした。
打率を上げたのはCUSTOM X!?
川村君によると、CUSTOM XFVで1シーズンを過ごした後、草野球開幕前の練習試合で明らかな変化があったとか。
冬の間、素振りすらしていなかったにもかかわらず、不思議と軸が安定し、腰の回転が良くバットがスムーズに動く…。結果は、ホームラン+2塁打、3安打の好成績。CUSTOM X以前にはなかった感覚だそうです。
分析を進めていくと、バッティングとライディングの共通項が次々と浮かび上がっていきました。
バッティングとスノーボーディングの共通項
- 進行方向(ボール)に対しての向きとスタンス
- 上半身の動き:進行方向/ボールに対して胸を開いていく動作
- 下半身の動き:足への荷重のかけ方・膝の入れ方・作用のさせ方・軸の扱い方
- 素振りの後とスノーボード後に、身体の同じ部位に疲労感がある
- 地面からの反発をどう使うかという技術
これらを踏まえ、2020シーズンはバッティングのスタンスとアングルもスノーボードに近づけたり、バッティングフォームも見直したそうです。
CUSTOM Xのトレーニング効果
川村君が「野球ヨコノリ説」のヒントを得たときに、乗っていたのはCUSTOM Xです。僕がこのボードを勧めたのには、いくつかの理由がありました。野球で培われた下半身の筋力が生かせること、フィジカルの更なる強化が期待できること、などです。
実際に、CUSTOM Xの全体的な硬さと張り感が上達のカギになったようです。
「僕は体重があるので、荷重の圧も強いと思うのですが、それを受け止めてくれるような器のデカさを感じます。上手な人なら脚力が無くても滑れるんでしょうけど、僕はまだちゃんと滑れないので脚力を使う。脚力と体幹のトレーニングになっています。」
川村くんのバッティングをチェック
ある春の水曜日。川村君に、バッティングとスノーボードの関連性を実際に間近で見せてもらいました。
トランクからおもむろに愛用のバットを取り出すと、颯爽と素振りを始める川村君。ブゥンッ!!ブゥンッ!!とバットで空を切る…。素振りってこんなに迫力があるんですね。
さすが、フォームそのものも綺麗だけれど、驚いたのは足の動きでした。
一連の動作の中で左右の足はそれぞれ踏み込み、傾け、ねじるようにと、スムーズで大胆な体重移動が行われています。
バットを振り切ったときには、前足のスニーカーの底がすっかり見えるくらいに外側に向いています。足元にボードがあるとすれば、トーションを使いまくっているようなイメージです。
夏は野球、冬はスノーボーディング
冬の間、夢中で滑ったスノーボードがバッティングに活かされ、夏に取り組んだ野球がスノーボーディングに返ってくる。いわゆる「ヨコノリ」に括られれているサーフやスケート以外にも、互いに影響し合うスポーツは身近に存在するようです。
川村くんはインタビューの最後にこう語りかけます。
「個人的な経験ですが、野球とスノーボードには似たところが見つけられるので、草野球をやっている人は是非スノーボードを始めて欲しいです。」
野球経験のあるスノーボーダーは、今一度バットを握り、スタンスやターンと照らし合わせると発見があることと思います。川村くんとの1年ぶりの黒岳セッションでは、僕が見る限りでも確実に上達していました。
まとめ
川村くんの「野球ヨコノリ説」を検証するため、野球の試合を見学し、素振りを体験し、意見交換を重ねて、この記事と動画を制作しました。
野球とスノーボード。どちらも季節が限定されるスポーツなので、1年サイクルの中で効果的に影響し合うはずです。野球人の皆さん、冬のトレーニングとしてスノーボードを始めてみてはいかがでしょうか。
川村啓史くんの野球ヨコノリ説に、野球経験があるMOJANEユーザーが刺激を受けています。
モロの取材後記