ガッチリ噛むのにターンが軽い!
NEVERSUMMERに初めて乗った時は、しっかり、どっしりとした感じがLIB TECHの板に近い感覚でした。BURTONやSALOMONなど、フレックスが柔らかい板を好んで乗ってきた僕にとって、主張が強い板には少し抵抗があったのですが、滑り出しの1ターンでイメージと全く違う事が分かりました。多くの板に乗ってきたわけではないので、比較対象は限られますが、特にエッジングの安定感は全くの別物で、僕にとっては異次元でした。
ここまでエッジが噛むと、いつもなら板の圧力を受けて身体に負担がかかるのですが、しっかり噛むのにターンが軽く、トーションやフレックスを意識しなくても、ただ倒すだけで曲がってくれます。いい意味でオートマチックな板でした。
もちろん、NEVERSUMMERの中でもモデルによって乗り味の違いはありますが、今回乗ったどれもが、高いカービング水準だったと思います。
Wロッカーではなく、Wキャンバー、トリプルキャンバー。「ロッカー」と「キャンバー」を明確に体現している板、そんな印象を強く受けました。
足が大きい人にもお勧め
もう一つ、僕は足のサイズが大きい方なので(28.0)、板のウエスト幅はチェック項目のひとつです。
僕はウェストが25.0前後の板に乗ると、特にドラグが酷くなくても1本滑り終える毎にトゥストラップがズレている事があり、小さなストレスでもあります。
NEVERSUMMERはウエストが広めの板が多く、試乗中はトゥストラップのズレが一度もありませんでした。足のサイズが大きくて、ドラグなどに悩んでいる方には大きなメリットだと思います。
ワイドボードでネックになりがちなのは、取り回しずらいこと、太い分トーションが硬かったり、重くなることなど。脚力があまりない僕は、これらに注目して試乗しました。
重さが生み出す抜群の安定感
ネバーサマーの板はどれも造りがしっかりしていて、厚みがあり、その分やはり重量感もあります。リフトに乗っている時、左足にかかる重みが気になりました。
ですが、滑り出してみると、その重さがマイナスに感じることはなく、重量感=安定感になっているという印象です。
大きい山の距離があるコースを終日攻め攻めで滑るとなると、重さによる疲れを感じるかもしれませんが、2日間の試乗でそれを感じることはありませんでした。
特に、2日目の終盤はバーンもだいぶ荒れていて身体や足も疲れてきた時に、一度自分のシャーロックに乗り換えてみました。その時の板のバタつきが笑えてくるくらいで、同じスノーボードでもこんなにも違うものかと衝撃を受けました。
シャーロックは僕にとってメリットの部分も十分ありますが、ネバーサマーの安定感は十分推していける物だと思いました。
太めのウェスト幅でも動きやすい
トーションに関しては、極端に言うと「硬い」「柔らかい」というような評価は必要ないくらい、エッジングが助けてくれます。
ゴリゴリのグラトリやパークをメインにするなら少し難しいかもしれませんが、ゲレンデでのパウダーフリーランがメインの僕には全く問題ありません。
取り回しやもたつきに関しても、ほぼストレスはなく、ウエスト幅の実寸のイメージより反応がクイックで、動かしていける印象でした。
また、モデルによっては、スタンスやアングルを変えると乗り味がガラッと変わった物もあったので、自分の決まったポジションを一度崩して、探りながら調整してみる事もポイントになってくるのかなと思います。
小さなきっかけで跳ねる反発力
フレックスについては、PROTO ULTRAだけは僕には少し硬く感じられましたが、その他の板は難しい硬さはありません。また、十分に張りがあり、特にオーリーでは、小さいきっかけでもかなり高さが出るくらい反発が大きかったです。
オーリーのかけ方も、キャンバーのようにタメを作って飛ぶというより、後ろ足でポンッと蹴ってあげるだけで飛べます。
Wキャンバーならではなのか、少ない力でも十分にオーリー出来るというのは魅力的です。
フリーラン好きにはシェイパーシリーズを!
パウダーでの浮力も、ウエスト幅が大きく作用していると思います。
ハイシーズンの北海道は、大半のスキー場が深いパウダーと柔らかなピステンといったコンディションです。
ツリーラン、コース脇やサイドカントリーのパウダー、地形と壁で遊んで、ピステンで気持ち良くターン!そんなフリーランにはシェイパーシリーズの中から自分の動きに合ったモデルを選ぶと、大いに楽しんでもらえると思います。
個人的には、初めてのパウダーボードならHARPOON、より動かしたい、細かい動きがしたいツリーランの人にはSWIFT、直線的で地形を飛びたい、高いスピード域でスイッチもやりたい人にはSHAPERを、というイメージでした。